所定労働時間(1か月の所定労働時間)とは?調べ方と計算への入れ方

残業代を計算する際、必ず入力が必要になるのが「1か月の所定労働時間」です。 「173時間」などが初期値として入っていることが多いですが、これはあくまで目安。正確な計算のためには、自分の会社の数字を知る必要があります。

所定労働時間を入れて計算する >

1. 所定労働時間とは(なぜ残業代計算に必要?)

所定労働時間とは、会社と従業員の間で「これだけ働いてください」と約束している時間のことです。 残業代(割増賃金)の元となる「時給単価」を算出するために必要になります。

月給 ÷ 1か月の所定労働時間 = 1時間あたりの賃金

この分母が変わると、時給単価が変わり、最終的な残業代も変わってしまいます。

2. 173時間は何?(週40時間の目安と計算の考え方)

計算ツールなどでよく見かける「173時間(または174時間)」という数字は、以下のような計算から来ています。

1年の週数から平均を出す

365日 ÷ 7日 ≒ 52.14週

52.14週 × 40時間(週の上限) ≒ 2085.7時間(年間の労働時間上限)

2085.7時間 ÷ 12ヶ月 ≒ 173.8時間

「休みが多くて1日8時間勤務」の会社だと、このくらいの数字になることが一般的だからです。

3. 調べ方1 労働条件通知書・雇用契約書を見る

入社時に交わした書類を確認するのが最も確実です。「勤務時間」や「休日」の欄に記載があるか、もしくは「賃金の計算方法」の欄に「所定労働時間を〇〇時間とする」と書かれている場合があります。

4. 調べ方2 就業規則・賃金規程を見る

個別の契約書がない場合、会社の「就業規則」や「賃金規程」を確認します。「給与計算の基礎となる日数は〇〇日、時間は〇〇時間とする」といった規定があるはずです。

5. 調べ方3 シフト制・変形労働時間制の場合の考え方

月によって日数が変わる場合、計算方法は2パターンあります。

ケーススタディ2:シフト制(所定が月により変動)

手順

会社の賃金規程で「月平均所定労働時間により算出する」となっていれば平均値(例:171時間など)を使います。「その月の暦日数に基づく」となっていれば、その月のシフト上の所定時間を合計した値を使います。

6. 計算ツールに入れるときの注意(所定と実労働の混同を避ける)

落とし穴:「所定=実働平均」と勘違い

「先月は忙しくて200時間働いたから、所定も200時間かな?」というのは間違いです。 所定労働時間はあくまで「定時で働いた場合の時間の合計(残業をしない状態の時間)」です。実際の労働時間がどれだけ長くても、計算式の分母(所定労働時間)は変わりません。

よくある質問 (FAQ)

所定労働時間と法定労働時間は同じですか?

同じではありません。法定労働時間は原則「1日8時間・週40時間」で、所定労働時間は会社が定める通常の勤務時間です。所定が法定より短い場合でも、残業代の計算では所定・法定の区切りを意識する必要があります。

とりあえず173時間を入れてもいいですか?

目安としては使えますが、正確には契約・就業規則にある「所定」を入れるのが理想です。特にシフト制や変形労働時間制では173固定がズレることがあります。

休憩時間は所定労働時間に含めますか?

一般的に、休憩は労働時間に含めません。就業規則やシフト表に「勤務9:00-18:00(休憩1h)」のように書かれている場合は、労働時間は8時間です。

シフト制で月ごとに所定が変わります。どう入力すればいいですか?

その月の所定(シフトや会社規程で示される所定)を入力します。固定値が無い場合は、会社の規程・賃金計算の基準(時給換算の根拠)を確認してください。

所定労働時間が分からないときは?

労働条件通知書、雇用契約書、就業規則、賃金規程の順で当たり、なければ人事・労務に確認するのが確実です。

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労働基準法(e-Gov) 最終更新日:2026年2月7日
監修・運営:残業代計算ツール事務局 / fin-calculator.com 編集部